ちゃらんぽらんの日記

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現代の本阿弥光悦村をつくる

 本阿弥光悦織田信長尾張を平定した頃に生まれ、江戸時代初期まで活躍したアーティスト。書家であり陶芸家であり蒔絵の漆芸や作庭までこなすマルチアーティスト。風神雷神図で有名な同時代の俵屋宗達は扇絵で評判の売れっ子でした。織田信長豊臣秀吉徳川家康と西欧の扉が開かれた激動の時代に、あたかもルネサンスの如く、日本文化の源流とも言える芸術や工芸が花開いたのは興味深いと思いませんか?

 特に、本阿弥光悦は京都に拝領した土地に「光悦村」を作り、陶芸や漆芸、絵画などさまざまなアーティストが集い刺激し合いながら創作活動ができるようにしました。残念ながら、本阿弥光悦の死後2年ほどで南蛮船入港禁止の鎖国令が敷かれてしまいましたが、もしも鎖国がなければ「インバウンドの外国人観光客」で賑わった名所となったのではないかと思うのです。日本の工芸技術は西欧では大人気で、陶磁器も人気がありましたし、イエズス会が祈祷に使う聖書の台は蒔絵で作られるなど南蛮漆器というジャンルができたほどだったからです。


 工芸品や芸術などの文化は儲からないしカネにならない。そう思う人はきっと少なくないでしょう。確かに、すぐにはならないでしょう。しかし、長期間の累計では決して経済効果がないわけではありません。文化が香る街でなければ誰も旅をしたいとは思わないでしょう。ヨーロッパの街並みに文化がなければ、例えば廃屋同然の街だったり、コンクリートのオフィスビルばかりだったりしたらどうでしょうか?文化を感じられる街で、ルネサンスの芸術作品を楽しむ、ガウディの息を呑むような建造物を見る。文化は人を永久に惹きつけます。そこには、景気対策も金融政策も不要です。景気が悪かろうと、通貨が高かろうと、「訪れたい・観たいという欲求」が人を突き動かすのです。

 日本の景気対策の効果を検証した方がいます。ハコモノ景気対策で建設的投資はそのまま経済効果を生みます。第一次効果です。それに付随して近隣での宿泊費や飲食費などの二次的効果が生まれますが、多くは一次的効果を超えることはなく、概ね直接投資の半分くらいです。しかし、二次的効果が大きい例外もあります。例えば、お祭りです。ねぶた祭阿波踊りおわら風の盆など直接的投資は極めて小さいのですが、観光客が集まってきて二次的経済効果は極めて高いのです。私が、工芸品や芸術などに経済効果があると信じる理由です。

 日本だけが工芸的な技能に優れているわけではありません。機械式時計の誤差を抑えるトゥールビヨンをつくるスイスの職人、宝石職人に限らず天才とも思えるような技能をもつ職人は世界中にいます。驕らず謙虚に、日本人も外国人も切磋琢磨しつつさらなる高みを目指す環境が理想です。日本の工業製品はすでに世界中から尊敬を受けていますが、個人でも企業でも所属を問わずにできる工芸やアートが今後の日本を左右する気がしてなりません。

 自然エネルギーで暖房も冷房もまかない、快適に長期滞在できる空間で、日本の食文化の刺激を受けつつ、陶磁器や漆器、芸術作品などを創れる空間。

そんな、「現代版の本阿弥光悦」を日本でつくっていきたいと思います。もちろん、ひとりではできませんので、共感する人たちが集まって協働してです。何年と時間はかかっても光悦村が日本に何箇所もできて、世界に文化を発信して行ったら素敵だと思いませんか?

これが、2016年元旦に私が強く思ったことです。