ちゃらんぽらんの日記

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エネルギー自立の町 -私の試算(その2)-

前回の北海道N町のエネルギー需要と自然エネルギー利用可能量をみて思ったことは、「熱エネルギー利用の開発必要性」です。

熱エネルギーは下手に変換せずに熱エネルギーのまま使うのが一番効率が良いはずです。オール電化のように、化石燃料等→発電→電化製品→熱利用(給湯・冷暖房・炊事)というのは実にバカバカしく感じられるのです。

ヒートポンプの利用

冷暖房のすべてを賄えないとしてもベースとして年中一定の室温ならばかなり冷暖房費を節約できます。その点で地中の温度は変動が小さく安定しています。人類が洞穴で暮らしたのは実に合理的で夏も冬も安定しているからです。ヒートポンプは地中に埋めたパイプで媒体を循環させて地中熱と熱交換するので実に合理的です。

ヒートポンプもいろいろな種類があり、媒体もさまざま循環させるものも高出力のものか
ら自然換気に近いものまであります。

ヒートポンプですべて賄わないと割り切れば、媒体は空気でも可能でその場合の循環させる動力は送風機ですみます

地中熱は夏場の外気温よりも低く冬場の外気温よりも高く、年間を通して変動が少ない範囲が最適です。東京大学の昔の研究者が全国各地の地中温度を調べたデータを使って見当をつけると最低でも地下3m以上、地下5mが適切となります。30cmでも1mでも悪くはないのですが年間の温度変動が激しいのです。東京では16℃±2℃程度です。札幌では8−10℃、那覇では23ー25℃になります。札幌ではこれだけではちょっと寒いので追加の暖房が必要です。那覇では冬でも半袖でいけるかもしれません。




実際にはヒートポンプで地下まで触媒を循環させて地下5mで直接に熱交換をさせると大変なので地中熱を拾ってきた空気を建物の基礎部分に貯蔵しましょう。そこを通して熱交換させれば動力も小さくてすみます。

熱の貯蔵庫

熱の貯蔵庫で最も安価なのは岩石です。比熱が小さく熱しにくく冷めにくいので熱の貯蔵庫にはピッタリです。実際には岩石を砕いたものやコンクリートを砕いたものでも大丈夫でしょう。基礎部分にこの石ころを敷き詰めるスペースを設けてその中にパイプを通せば熱交換ができます。あとは、建物の内部の換気設計や風の循環をキチンと計算して通風口をセットすればOKです。ちなみに空気を触媒すると夏は室内の空気が冷やされて結露がパイプ内にでき除湿になり、冬場は逆に加湿器がわりになるので湿度調節もできます

これで、どれだけ?

あるブログの物好きな読者の体験談では8畳で夏場にエアコンを28度と27度の2つに設定した場合に200Wと203Wと3Wの差があったそうです。これを使わせてもらって。

5℃分の温度調整効果があったとして、1人の居住面積が8畳であったとすると、年間131.4KWhとなり石油換算では0.0338KL。この町の住民5千人とすると169KL分に相当します。例えば、北海道では何も暖房を点けなければほぼ0℃ということもあるでしょうから冬場では温度調整効果は10℃近くあり倍の効果になるかもしれません。この町のエネルギー需要は石油換算で2万7千KLでそのうち熱エネルギー分が4割なので1万8百KL。その2-3%が賄える計算になります。お風呂のお湯や炊事はこれだけでは賄えず、さらに追加冷暖房も賄えません。また、このように建物の基礎を使うだけでは高層階のビルでは無理でしょう。

しかし、重要なのはこの原理にあると思うのです。

ヒートポンプは地表上の温度と地下の温度の熱交換であり、要は「温度差」を利用している点が重要なのです。

ヒートポンプで冬の暖房に不足ならば、安くてタダ同然の熱を貯蔵し「高い温度の大きい温度差」を作り出せば良いことになります。夏の冷房に不足ならば、タダ同然の雪を使って貯蔵し「低い温度の大きい温度差」をつくれば良いことになります。タダ同然の熱は虫眼鏡で紙を燃やせるほどのレンズによる太陽光の焦点の熱です。

つまりタダ同然の岩石と夏の日差しと虫眼鏡、冬の雪という素材があれば、それを貯蔵して「大きな温度差を作る」ことができます。

<続く>