ちゃらんぽらんの日記

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エネルギー自立の町 -私の試算(その1)-

エネルギーってそんなに儲かるものではないし、仮に儲かるものであるとすると本筋から外れているのだと思います。しかし、不可欠なものなので「安全で、環境に負担をかけずに、必要な分は十分に」使いたいと思うわけです。

日本は明治時代以降すべてが中央集権的な概念で国づくりが行われ、今までの電力・ガスなどの供給体制が整備されたわけです。しかし、エネルギーの利用はどこででもできるはず。太陽が照らせばエネルギーが生まれ、風が吹けばエネルギーが生まれ、潮の満ち干や海流でも、雪解け水の流れでも、間伐材でも、何でもエネルギーが生まれ利用できます。運動エネルギーは熱エネルギーや電気エネルギーになり、逆も同様です。そう考えるとエネルギーを効率的に収穫し利用するエネルギー・ハーべスティングという考え方にやはり分があるのだと思います。

産業革命以降の世界の戦争は資源争奪戦であったとも言えます。資源には希少金属など特定の土地にしか発見できないものもあります。しかし、エネルギー資源はあえて特定の地域や国に依存する戦略商品という扱いになること自体が間違いだったと人類は気付くべきなのだと思うわけです。


そんなことを考えているうちに、例えば、日本のどこかの町で「完全にエネルギー自立する町」というのはありうるか考えて見たいと思いつきました。

以下は、北海道N町の資料を要約したものです。K町長はとても熱心に自然エネルギーを研究されています。そこでその調査資料を使ってみることにします。

人口5千人ほどのこの町は、リゾートとして有名ですが、商店街もなくビルもありません。低く暮らしていることがこんなに素晴らしいのかと思えるほど空が高い町で、醜い看板もない景観の良い町です。

この町のエネルギーは最終消費ベース(原油換算)で年間2万7千 KLほどです。そのうち7割が石油で1万9千KL。このうち三分の一が運輸関連で消費されています。ガスは約500KLです。石油の2/3とガスは冷暖房や炊事入浴などで使われるのでエネルギー全体の4割弱は熱エネルギーとして冷暖房その他の熱として利用されています。電力は残りの7千5百KL内外です。つまり、熱エネルギー4割・電気エネルギー3割弱・動力エネルギー2割強という構成です。

この町から得られる自然エネルギーのポテンシャル(賦存量)は以下のとおりです。

賦存量原油換算・年間。以下同じ。)
小水力          933GJ=            240 KL(雪解け水が流れる小川で)
農業系バイオマス     6,624GJ=           1,704 KL(牧畜のふんなどをメタン再利用で)
木質系バイオマス   74,682GJ=          19,210KL(間伐材などの再利用で)
雪氷熱                 20,076,000GJ= 51,464,749 KL(雪を夏季の冷房への再利用で)
合計= 51,485,903 KL>>需要量27,000KL

利用可能量
小水力          616GJ=            158 KL(効率係数=66%)
農業系バイオマス         435GJ=             112 KL(効率係数=  7%)
木質系バイオマス      1,469GJ=              378KL(効率係数= 2%)
雪氷熱                        45,084GJ=        11,597 KL(効率係数= 0%)(道路の除雪分だけ)
合計=12,245KL < 需要量27,000KL

となります。雪などの賦存量は大きいのですが、今の技術で利用可能なのは需要の45%しか充足できないということになります。
もっとも、ここでは太陽光発電は考慮に入れていませんので町中の面積をパネルだらけにすれば賄えますが、それ以外に土地の利用はできなくなり意味がありません。

つまり、これだけを見ればエネルギー変換効率を上昇させる新技術の登場を待つしかないということになります。

(続く)