ちゃらんぽらんの日記

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中国のアジアインフラ投資銀行?

一週間前の日経の社説を読んでハテナだったのを思い出した。

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に欧州勢が参加を表明した(つい先日韓国も表明した)ので、米国に遠慮していないで乗り遅れるな、と要はこんな趣旨でした。

まあ、これに参加するかしないかに個人的に強い感想はないのだけれど、「いよいよ共産党の行き詰まりも正念場だな」と思うわけです。

WTO加盟直後の2003年に世界初の人民元建てファンドを作ったときに北京政府の証券監督管理委員会(CSRC)にライセンスをもらい、国家外貨管理局(SAFE)からクォータ(外貨枠)をもらったのですが、その当時から10年後・20年後はどうなるのだろうとゆるーく離れて見ていたわけです。


今までの流れ

  1. 2003年WTO加盟を契機に世界の工場となり経済は膨張。
  2. それに乗じて工場誘致などで甘い汁を吸おうと地方政府の汚職が蔓延し、暴動騒ぎも頻発。北京五輪もその中で開催。
  3. リーマンショックで米国が量的緩和をしたことが中国のカネ余りに拍車をかけた。実質的には人民元はドルペグと同様なので、米国がマネタリーベースを増やせば中国人民銀行も元紙幣を刷って市中銀行に流し同様にマネタリーベースが増えます。中国の銀行からの信用創造は突出していて5倍の係数。なのでどんどん中国マネーが膨張する。
  4. 習近平政権となって汚職追放運動で18万人を処分、これが習主席の独裁政治を強める形に。(18万人ってすごいな。日本人口に換算すれば1万8千人の公務員汚職という換算になる)
  5. 習政権に恐怖感を抱く役人達が不正蓄財分を海外逃避させ2000億ドル近くに達し、資本流出の半分近くに達する。(20兆円の不正蓄財もすごい。日本の税収の4割に匹敵。)
  6. いつかはIMFのSDRに採用されて(2015年の今年がチャンス。逃せば2020年。)人民元を国際通貨として流通させて変動相場制でも耐えられるようにしたい。だから、資源も抑えて軍拡もしています。(資源と軍事力をもたない基軸通貨はないので)。

FRB量的緩和を終了し利上げすると
  1. 中国の外貨準備は実質ドルペグの人質としてSAFEに拘束されるので使えない。それを除けば、実際には対外純債務国であり資本不足の国
  2. 米国が利上げされれば資本流出が加速するので、何らかの形でカネ集めをしなければならない。だからアジアインフラ投資銀行(AIIB)中国は単独で対外投資をする余力はない。
  3. AIIBの参加国は資金を受けたい新興国利権を取りたい欧州先進国が参加。日本はといえばアジア開発銀行(ADB)もODA予算も継続し、IMFや世銀などの米国系と昔から組んでいる。
  4. 当のASEANは2015年の今年に自由貿易協定(FTA)が発効し世界最大の自由貿易になる。アセアンの経済は華人財閥系が牛耳っているが、もともとは福建や広州からの移民で北京は嫌いという人たち。この自由貿易圏で華人財閥・米国日本系開発資金とAIIBが三つ巴の「アジア版三国志のような状態になる。

習政権にとってみれば

  1. ベストシナリオはAIIBの成功でアセアンの利権をとり対外収益という安全弁的な資金源を得て、さらに変動相場制の移行をすすめる。不正を一掃して共産党習近平独裁体制を固める。というのが理想。
  2. ワーストシナリオはAIIBをつくってもソッポを向く華人財閥と米日系がタッグで参入できずに、AIIBの目論見は失敗。結局は人民元基軸通貨構想は陽の目を見ずに、切下げ圧力がかかり、購買力を失ってインフレが加速。人民の反感と怒りでクーデターが頻発し、共産党体制は終焉を迎える

うーん。どっちだろうな?私個人的にはとってつけたようなAIIBには懐疑的なので、ワーストシナリオのほうに分があるように思えるのです。

だから、「いよいよ共産党の行き詰まりも正念場だな」と思った次第です。

もともとアジアでのインフラ投資って、アジア開銀ODAなんかで日本の税金で投資しても中国や韓国がおいしいところを持ってちゃっていたので、今度は日本は参加せずに彼らの投資でおいしいところを取っちゃえばいいんじゃないの?